知識と論理の深掘りで、国語力向上を
国語科主任高峰 貴雄
コミュニケーションの基盤「文脈を読む力」
国語力の中でも、特に大切なものの一つに「文脈を読む力」が挙げられます。
文脈を読むことができれば、物事を俯瞰して全体像をとらえることができる。問題を解く上でも、コミュニケーションをとる上でも、この力は重要です。
生徒には、たくさんの本に触れることで、この力を養ってほしいと思います。
また、部活動をするのも良いと思います。サインやアイコンタクトなどを用いるチームプレイは、この力を育んでくれるでしょう。
医師にとっても、コミュニケーション能力は必須の力。
将来を見据えて、今のうちから養っておくことが重要です。
国語力の向上こそ合格への鍵
全科目共通で言えることですが、国語力の向上こそ合格への鍵です。
例えば英語についてですが、英文読解の和訳や内容説明問題で「これは日本語として間違っている」と注意されている生徒をよく見かけます。また、英語は単語を覚えるだけでは伸びません。特に論説文では、筆者の主張を理解し、文章の繋がりを正しく把握する論理的思考が必要です。この論理性は国語力の向上によって磨かれます。
これは理系科目であっても同様です。数学でも論理性は大いに問われますし、理科の実験考察などの問題では文章を読む力が重要です。
他教科の基礎力向上のためにも、中学や高校低学年のうちに国語を履修することをお勧めします。
「答え」を覚えるのは無意味、周辺知識を含めた幅広い理解が大切
人も動物も骨格は当然大切ですが、骨だけで体を動かすのは無理。筋肉が無いと成り立ちません。
国語においても同様です。国語の問題で取り扱われる文章は、昨今の情報化社会や人間の倫理についてなど、社会や歴史の知識が問われる傾向にあります。単純に国語力だけではなく、幅広い社会についての知識を肉付けしていく必要があるのです。
生徒の多くはすぐに解答を求めてしまいがちですが、ただ「答え合わせ」をするのでは伸びていきません。問題に関わる周辺知識も含めて解説をし、どう興味を持たせていくかということを重要視しています。
また解説の時には、生徒の分かる例だけを教えていては意味がないと考えています。生徒の知らないこと、聞いた事のないことを伝える。これによって、生徒各々の持つまだ小さな枠組みを壊し、広い世界に目を向けさせてあげたいと考えています。
《センター国語》脱フィーリング解答、解答に明確な「根拠」を
センター試験の国語に関しては、よく「慣れ」が必要と言われますが、しっかりとした国語力の土台が無ければ、慣ればかり追い求めていても、得点には結びつきません。
特に、現代文での高得点を得るためには、国語力の土台の一つである読解力の向上が必須です。思い込みや読み間違いをしないこと、主観やフィーリングではなく、正確な読解をしなければ、現代文の点数は取れません。そこで生徒には、まず時間をかけてでもしっかりと本文を読ませ、本文の中に解答の「根拠」を探すトレーニングを徹底します。1題20分の問題を1時間かけさせることもあります。そして正しい「根拠」を見つけられるようになってから、少しずつ時間を縮めていき、制限時間内に解ける速さと正確さを磨いていきます。
センターの古文・漢文については、英語と比較して単語や文法の暗記量は1/10~1/20程度。単語や文法を徹底させ、高得点を狙っていきます。
センター国語は1問の配点が高いのも特徴の一つ。漢文には1問10点というものもあります。その為、生徒には正確性を強く意識させるよう指導を行っています。