武石様
受験結果
- 武石彩さん(娘)日本大学医学部合格
対談相手
- 武石昌則氏 (お父様)
医療法人社団 昌広会 武石医院 院長
東京慈恵会医科大学卒業 慈恵医大病院第三内科勤務 医学白紙、に日隠内科学会認定医、日本臨床内科医会認定専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本医師会認定産業医 - 武石広美氏 (お母様)
医療法人社団昌広会 武石医院 事務長 有限会社代表取締役
中央大学法学部卒業、日本大学大学院法務研究科法務専攻修了、法務博士
※「 Doctors Jounal VOL.22 2017 spring 」より抜粋。掲載内容は取材当時の内容です。
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現実を直視した母親の判断には驚きました。
広美氏
彩は、中学生後半には医師になりたいという決意が固まっていたので、少しでも医学部合格に近づくために、高校は半年間の受験期間を経て、医学部への進学実績がある進学校に進みました。そこから高校3年間の医学部受験に突入していき、結果的に現役で東京女子医科大学と日本大学医学部に合格し、本人の希望に沿って、日本大学医学部に進学しました。
昌則氏
彩の医学部受験で、妻を凄いと感じたことがあります。 医学部を目指すのであれば、このままエスカレーターで附属高校まで進むのではなく、あえてリスクを冒しても医学部合格により近づくことのできる進学高校に進み、しっかりと受験対策を行うべきだ。という判断を、中学前半の時点で明確にしていたということです。私は本当に驚きました。
広美氏
彩に医学部に進みたいという意欲が徐々に出始めてきたのが、ちょうど中学2年生の夏ごろだったと思います。 それでも、中学時代は勉強よりはミュージカル部の部活動に中学3年の夏まで一生懸命に取り組んでいました。附属校の良さで、部活動が本格的でとても盛んなのです。 中学時代に部活動をやり切ったという思いが強かったからこそ、高校時代は気持ちの切り替えがうまくでき、受験勉強に一生懸命に取り組めたのだと思います。 それからは医学部合格まで、家族一丸となって全力疾走で走り切ったという感じでした。それが我が家の受験パターンだったように思います。
藤田
彩さんはまさにそんな感じでしたね。入塾当初から勉強に取り組む姿勢に勢いを感じていました。 比較的早い時点、例えば中学の頃から将来を見据えて医学部に進みたいという意思を固めている人は女子の生徒さんに多いです。 最近の医学部受験では女子の受験者数は増えていますが、全合格者数に占める 女子の割合はまだ3割台です。そんな背景も関係しているかもしれません。
医師を目指すきっかけとなった、母親からの手紙
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広美氏
彩が医学部を目指した動機に繋がるのですが、彩は出生した時の状況から、生後すぐにNICU(新生児集中治療室)に運ばれて、一命をとりとめました。そのことを漠然と聞いていた本人は、幼いころから自分の命に対して思うところがあったようでした。 中学生の誕生日の時に、私は彩に手紙を書きました。 「あなたが今まで生きてこられたことには必ず理由がある。その命を大切にして、将来は世の中に恩返しができるような生き方をして欲しい。」と、私の思いと、彩の出生時の経緯をいつになく詳細に伝えました。 医者になって欲しいとは一言も書きませんでしたが、彩が歩んできたこれまでの人生を一つ一つ紐解いて伝えたことと、それを彩が自ら編み直して自分でたどり着いた結論が「医者になりたい」ということだったのだと思います。 小学生の頃から、困っている人のお世話をすることが大好きな子供でしたから、私からの手紙をきっかけとして、どうしたら人の役に立てるのだろうかと考えた結果が、医師の仕事だったのでしょう。 親にとって大切なことは、子供がどんな人生を選んでも、信じて支持するという姿勢で、我が子が自ら考えて答えを導き出すための、そのきっかけを作ってあげることだと思います。
昌則氏
妻は、娘が人生の岐路に立った時に、本当に伝えたい大切なことは手紙にして本人に渡します。そこも尊敬できるところです。 子供にとって辛い時に一番心に響くのは母親からの手紙だと思うのです。娘はおそらく何度も読み返して、親の思いが心に深く刻まれているはずです。 精神科診療の常識として、うつ病の人に頑張れと励ますことは禁忌とされています。 受験生も同じです。励ましているつもりが、頑張っている子供を逆に傷つけていることが多くあるのではないでしょうか。但し、母親に比べると父親は何もできませんが(笑)。
広美氏
ラインとメールの今の時代だからこそ、手紙に書かれた言葉の重さは大きいのではないでしょうか。 大事な時に本当に伝えたい思いは手紙にすることをお勧めしたいですね。
藤田
素敵なお話ですね。子供が自らの人生を自分で決めるように導いてあげることはとても大切だと思います。 彩さんが人の思いや感情が良くわかるお子さんに育ったのは、こういうご両親だったからだと納得できました。 医学部受験では戦略的な受験勉強は当然必要ですが、前提条件として、なんとしても医学部に入りたいという受験生本人の強い意志が絶対に必要です。 自らが自分で決めた道であれば、厳しい受験勉強にも耐えられます。いわば覚悟ともいえるでしょう。
成績が良いと家族全員で素直に大喜びする。それが励みになっていたようです。
広美氏
彩は誰かを喜ばす。誰かに喜んでもらえる。ということにやりがいを感じるタイプです。中でも父親を喜ばせたいという思いは特に強かったと思います。 父親は嬉しいと単純に無邪気に本気で喜ぶのです。それが彩にとって、とても励みになっていたようです。 医学部に合格した時もそうでしたが、化学の全国模試で100点満点になった時など、大人が恥ずかしげもなくこれほど喜ぶかと思ったくらいです(笑)。 ですから、医師になったら父親は本当に喜ぶだろうな、というのも目標にあったと思います。
藤田
実はその時の彩さんの成績の資料がここにあります。見てください。 5月の最初の模試では39点でした。そこからうなぎのぼりで、100点満点まで上がったのです。
昌則氏
すごいですね。そんなデータが残っているのですか? 全国模試の化学で満点トップの時は本当に嬉しかったですね。大喜びしました。この話になると今でも興奮してしまいます(笑)。
広美氏
我が家は喜びを表に表わす家族なのです。特に父親は(笑)。 嬉しいと家族全員で素直に大喜びする。そんな家族なのです。
藤田
人に喜んでもらえるということは励みになります。彩さんが頑張れたのも、ご両親がこうやって本気で喜ぶ姿を見せられていたからだと思います。 子供は親に喜んで貰いたい。喜ばせたいという思いを持っています。また、親に褒めてもらいたいという気持ちも持っています。 ところが、安易に褒めると子供が緩んでしまうのではと思って感情を出さない親もいます。それが、せっかく頑張っているお子さんのモチベーションを下げてしまうこともあるのです。 親御さんは些細なことでもお子さんを褒めてあげてほしいと思います。
親御さんが現実を直視しないがゆえに、お子さんの伸びる機会を失わせていることが多いと思います。
広美氏
知人から、お子さんの医学部受験のことで相談を受けることがあります。 その時に感じるのは、親御さんが現実を直視しないがゆえに、お子さんの伸びる機会を失わせていることが多いということです。あえて合格のコツがあるとすれば、伸び悩んでいるときは予備校を変えれば成績は大きく変わることがままある、ということをよくお話しします。 せっかく能力があって素養もあるのに、今通っている予備校で成績が振るわないと、親の方が無理だと諦めてしまう。親が子供の可能性の芽を摘み取ってしまいかねない。実はそんな話が多いのです。 きちんと自己管理ができる受験生は、どこの予備校に通っても合格できるでしょう。しかしそういう人はとても少ないと思います。 彩の場合も、最初に高校1年時に通った大手の予備校は自己管理が前提で、それができる人たち向けの授業の進め方だったので、伸び悩み随分苦労しました。 そこで、高校2年から池袋理数セミナーに替えた結果、医学部に現役合格できたのです。 それと、最初は国立医大を目指していて途中から私立医大に転換するという受験生も多いですが、現実を直視しない親御さんの場合、その見極めが高3の夏過ぎなどにずれ込みスイッチングが遅い。親の判断の時期が遅いために、合格できるチャンスを逃しているお子さんが多いのです。 親が早目に気付いてあげて、正しい判断をすれば医学部に合格できていたのに、結局諦めて違う道に進み、後でやっぱり医学部に行けばよかったと後悔している。という話は本当に多く聞きます。 どの時点で進路先を決めさせ、どの予備校や塾に行けばよいのかを判断することは、とても重要なのです。
昌則氏
姉の受験の時の話ですが、最初は国立大学医学部を目指し、私立医大は積極的に考えていませんでした。 しかし妻は現実を直視させ、本人の学力と得意・不得意科目を考慮した上で、本人にとって最も有利な受験校選びを本人に考えさせて、最終的に方向転換し、結果的には現役で東京慈恵会医科大学に合格できました。 本人が現実を良く解っていないことも多いので、自分自身で早めに軌道修正が行えるように、現実を直視して適切なアドバイスをするのが親の役割といえるのではないでしょうか。
思い出に残っているエピソード
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昌則氏
私の受験の頃と比較して、医学部受験は非常に難しくなっていることは十分に知っていましたから、正直にいいますと、内心では現役合格は難しいと思っていました。 ところがその考えを否定するかのように、池袋理数セミナーさんでの2年間で成績がどんどん上がっていくのです。夢を見ているようで、すごいなと純粋に感動しました。 教育の仕方で人はこんなに変わるのか、と思いました。この驚きは今でも強く残っています。
広美氏
彩は特に成績が良いわけでもなく、最初は医学部に行けるかどうかは、なんともいえない状況でした。それでも志だけは高かった。そして素直な性格も長所として活かされたと思います。 彩が合格できたのは、ひとえに合格を願い、しっかりと支えてくれる先生たちがいたからだと思っています。 支えてくれる人がいれば、人はこれほどにも伸びるということを、私も目の当たりにしました。
親は子供の良きナビゲーターであれ
広美氏
医学部受験で一番重要なのは予備校の選択だと思います。予備校の選択を間違えてはいけません。 もし間違えたと思ったら躊躇なく途中でも替えることです。とにかく医学部合格は、予備校選択に尽きると感じます。 彩の時には十数校の医学部予備校や塾を見学しました。姉の時も含めれば相当な数になります。親としてやれることは徹底してやりました。 塾選択に際して、私の判断基準は、その予備校に旬なエネルギーを感じる、本気の教師がいるかどうかでした。
昌則氏
彩も母親と同じ感想でした。 彩は体験授業を受けた後、「池袋理数セミナーには勢いがある。こういうところを探していたの!」と、興奮して帰ってきたのを思い出します。 附属校のエスカレーターから飛び降りた高校受験も、池袋理数セミナーの入塾も、選択したのは彩自身でした。 しかしその陰には母親の適切なアドバイスがありました。
広美氏
親はあくまでも子供の良きナビゲーターであれと思います。子供の人生ですから本人が自分で決めなければなりません。 子供扱いせず一人の大人として、大切な時に適切な情報と客観的なアドバイスを与え、自分自身がしっかりと考える機会を作ってあげ、自分で決めさせることが親の役割だと思っています。ですから良きナビゲーターであれと思うのです。 余談ですが、最初の受験で緊張して試験会場を間違え、大慌てして彩から呆れられたのは迷ナビゲーターの私でした(大笑)。
藤田
本日は受験生の親御さんならではの非常に示唆に富んだお話を伺えました。また大変楽しいお話も伺えました。 彩さんの今後のご活躍を期待しています。ありがとうございました。
武石彩さん(ご本人)からのメッセージ
- ・2010年 日本大学医学部 現役合格
- ・2016年〜東京慈恵会医科大学附属 第三病院にて初期研修医
家族に対しては、子供の意見を尊重してくれる両親、姉と共に家族一丸となりサポートしてくれて大変感謝しています。私の意見を第一に優先し、常に子供の事を考えてより良い環境を作るようにと、どんな時も諦めずに行動してくれた母。一方、父は普段は口を出さないのに、大学受験の時は初めて勉強について助言をしてくれました。そんな父の言葉は、想像以上に心に響きました。
印象に残っている受験勉強時代の思い出が二つあります。一つ目が、池袋理数セミナーの英語の木村先生の単語チェックでした。最後まで単語は苦手でしたが、単語帳一冊を真っ黒になるまで繰り返しやった事は、私の受験勉強の基盤となりました。
二つ目が、受験間近の年末年始の合宿中にお菓子等と一緒に送られてきた家族からの寄せ書きでした。それを見た瞬間、涙が止まりませんでした。プレッシャーを与えないように配慮してくれている家族の一言一言が、ラストスパートを駆け抜ける起爆剤となりました。
理数セミナーに通っていなければ、今の自分はなかったと思っています。精神面も含め一から教育していただき、本当に感謝してもし尽せない思いでいます。
受験生の皆さんは、自分に何が足りないか、何をすべきか、ご本人が重々承知していると思います。大切なことは、それにがむしゃらに取り組めるかどうかだと思います。頑張って下さい!
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