Messages 講師・卒業生・ご家族より皆様へのメッセージ

2014春期合宿【報告会】

今年も、春期合宿最終日の5月5日(日)に卒業生の会主催の第7回報告会が行われました!
今回は、家庭医として活躍していらっしゃる竹之下れみ先生に講演をしていただきました。
■今回の報告会は…■
 池袋理数セミナーでは毎年、春期合宿の最終日に卒業生や保護者による報告会を実施しております。今年は、2002年度に池袋理数セミナーを卒業し佐賀大学医学部に入学後、海外での研修なども経て現在は家庭医として活躍していらっしゃる竹之下れみ先生に報告を担当していただきました。
 今回のテーマは「日米の医療事情の違いを知る~家庭医療を通じて~」。
竹之下先生は池袋理数セミナーに入塾し、仕事と受験勉強の両方をこなしながら佐賀大学に合格されました。大学4年の時にハワイ大学へ留学し、そこで「家庭医療」という言葉に出会ったそうです。家庭医療とは、日本ではまだ歴史の浅い分野ですが、英語では「family medicine」と呼ばれ、米国やイギリスでは既に確立した専門分野です。文字通り、「ゆりかごから墓場まで」家族全体をプライマリの観点から診て行く分野です。竹之下先生はその家庭医療に興味をもたれ、6年生になってから再びハワイへと赴き家庭医の医師のもとで研修をされました。大学を卒業したのちは、米国式の臨床教育スタイルを求め北海道手稲渓仁会病院にて初期研修を行い、現在は静岡家庭医療プログラムに所属されているそうです。
 今回の講演では、日米の医療事情の違いについて寸劇も交えつつ解り易く話してくださいました。日本は患者にとっては国民皆保険制度のもと医療が充実したとても良い国ですが、一方で医師にとっては大変なことも多い国だそうです。日米どちらにも長所と短所があり、大切なのは単にどちらが良いかではなく、それぞれについて学びそれらを踏まえた上で、自分が医師となる・医師をして働く意味をを自分で考える事だとのことでした。
 また、「No Pain No Gain」という格言も紹介してくださりました。これは竹之下先生がハワイ大学で学んだ恩師の言葉で、「辛い経験をしなければ得られるものはない」という意味だそうです。
 そして最後には、英語などの勉強は受験だけでなく留学などにも役立つため積極的に学んでいってほしい、また医学部に入ってからも様々な事に挑戦をし、価値観を広げてほしいとエールを送ってくださいました。
 合宿最終日で疲れていたはずの生徒達も皆一心に聞き入っており、質疑応答ではいくつもの質問が出るなど、とても活発で素敵な講演会となりました!
■生徒の感想① ‐日米の違いについて‐■
 日米の医療事情の違いを知り、今までとは医療に対する価値観や考え方が変わった生徒も多くいたようです。
 そんな生徒達の感想を、いくつか以下にご紹介させていただきます。

英語が苦手で海外で働くことを考えていなかったが、今回の報告会でアメリカの家庭医療が自分の目指す医師の姿に近いことを知り、興味がわいた。(高卒・女子)


国民性の違いから問診にも違いが出たり、処置の方針にも違いがあることを知り、海外で働くときや、海外での患者さんがいらっしゃった時は国のバックグラウンドも考慮する必要があることを知った。(高卒・女子)


アメリカのように保険料を高く設定することは気軽に治療を受けられなくなるデメリットが生じる反面、患者が自分に受診が必要なのか考える力が付くために、日本の現状を打破する可能性も秘めているのではないか。(高卒・男子)


文化の違いによって、患者の方からワクチン治療などを拒否することもあると知り、 驚いた。また、それに対して患者の意思を尊重し治療を行わない医師の姿勢も新鮮だった。(高卒・男子)


日本はすぐ病院に行く患者が多く、本当に医療を受けるべき患者さんの優先順位がつけられていない。一方で海外の診察制度は合理的であるし医師の負担も少ない。日本の保健制度と、海外の診療方法が合わさればよいと思う。(高3・女子)


日本の医療事情が海外のそれと比較され批判されている本を読んだことがあるが、今回の講演を受けて海外にも短所があり、また日本にも長所があることを学べた。(高3・男子)


アメリカでの「自分の患者」を持つという考えに惹かれた。自分の元へ来てくれた患者に対し責任を持つ姿勢がとても格好良いと感じた。海外の医療を受けるのは経済面で大変と聞いていたが、それにはちゃんと理由があるのだとわかった。(高3・女子)


家庭医療が日本に普及した場合、アメリカのような保険システムも導入されるのではと危惧していた。だが、今回の講演の中で家庭医療の良さを知り、また日本人の精神的な部分から現在のシステムが維持されるだろうことがわかり、日本はより患者想いの医療に近づけるのではないかと考えた。(高2・男子)


■生徒の感想② ‐No Pain No Gain‐■
また、生徒たちは最後の「No Pain No Gain 」という言葉とエールを受けて、恐れずに様々なことに挑戦していこうと思ってくれたようです。
上記の感想だけでなく、大学に入ってから新たに挑戦していきたいことも書いてくれました!

医師として様々な一般常識を知る為にも、海外旅行をしたい。また、そこでの出会いを大切にできるよう。普段からたくさんの人と関わっていきたいと思った。(高卒・女子)


日本の制度全てが悪いわけではないが、アメリカをはじめとする海外の良い点を吸収していくべきだと感じた。また、広い視野を持った医師となるために世界中様々な場所に旅をしたいと感じた。(高卒・男子)


自分は国内で働くつもりで、海外に行くチャンスがあっても躊躇していたかもしれないが、今回の講演での先生の経験を聞き、海外へ行く勇気と興味がわいた。(高卒・男子)


英語は単に受験のためだけにやってきていたが、今後は将来に活かせるように学んでいきたいと思った。これからは積極的に経験を積んでいくことを心掛けたい。(高3・女子)


大学に進学してからは、新しいことを学ぶということに焦点を向けがちであったが、先生のように海外にでて医療の現実を知ったり、様々なことを経験することもかなり影響力のあるものだと感じ、海外に行ってみたいと思った。(高3・女子)


大学に入って何があるかはまだ具体的に想像できてはいないが、日本の医療の問題点を勉強し、社会的に立場の弱い方々の助けとなりたい。(高2・男子)


■保護者からの感想■
 報告会を聞いてくださった保護者の方々からも、嬉しい感想が寄せられました。
 以下に、保護者様から頂いた感想をご紹介させていただきます。

卒業生の在学中の様子を知ることで、努力をして医師になったことや、どんな学生生活を送り医師として過ごしておられるかが子供達により身近に感じられたことと思う。今英語を学ぶことの意味が将来に活かされると思うことでただ苦しい学びの時間も新鮮に違って見えたのではないだろうか。(高卒女子・父)


社会経験を積んだうえで再受験される方の話は生徒達にとって大きな影響力があったことと思う。また、人生は様々で、一回の進学や就職で人生が決まってしまうわけではないことを報告会を通して実感した。(高卒男子・母)


No Pain,No Gain!アメリカの医療を知ることで、日本の医療をより知る事ができたように、自ら決めて沢山の経験をすることが大切だと思います。熱い講演をありがとうございました。(高卒男子・母)


日本とアメリカの医療を比較しつつ、そういったことに今まで興味の無かった子供達にとってもわかりやすいよう問題点を明確に講演していただきありがたかった。また、海外では電話で診断を出来ることに興味を持った。日本では取り入れにくい部分もあるが、不要な診察を減らすためには必要なことかもしれない。(高3女子・父)


非常にエネルギーのある講演だった。医師として勉強が必要だから、学んでほしい、経験をしてほしいとのアドバイスは非常に役立つものであるし、活躍している先輩のお話は子供達にとっても大きな励みになったことと思う。(高2女子・母)


池袋理数セミナー卒後12年の歩みは、受験生はじめ医学生にも参考になる話であった。とても情熱的で活動的な姿は女性医師の歩みとして子供たちにもよい刺激となったと思う。国民皆保険は無駄なところもあるが日本だからこそ行える良い制度であり、良い部分をこれからも維持していくべきだと思う。(高1男子・父)


■卒業生にとっても、挑戦をしていくきっかけに■
 今回の報告会は、卒業生達にとっても新たな経験を積んでいこうと思える良い機会となったようです。
 以下に、卒業生の感想をいくつかご紹介させていただきます。

医療制度の違いについては知っていたが、医師のQOLについてはアメリカの方で法律があることを知り、勉強になった。家庭医としての存在はしっていてもどのような職業なのか理解していなかったので、自分の目指す総合医に通じるものとして家庭医についても学んでいきたいと思った。(2013年度卒・女子)


アメリカの医療に対しては、低所得者層に厳しいというイメージがあった。だが、家庭医療や患者が自分で行える治療を自分で行っているという点は日本も学ぶべきだと思った。また、これからは大学での活動、特に海外を視野に入れた活動に積極的に参加していこうと思った。(2013年度卒・女子)


自由の国アメリカにおいての医療選択と、社会保障が行き届いている日本の医療選択の間に大きな隔たりがあることを知れて良かった。両者に利点と欠点があることは確かであり、小さな世界に閉じこもることなく、多文化と積極的に触れ合うことで相互を高め合えるのだと思った。(2013年度卒・男子)


大学に入ってから、英語を学ぶ機会がぐんと減ってしまった。また、英語を選択せず受験を終えた人も少なくないために、自分の英語の勉強を絶やさないでいるとともに、英語の重要性を友人にも伝えていきたいと思った。(2012年度卒・女子)


大学で学んだことに加え、今回の講演を通して日本とアメリカの医療制度や文化の差異についてより詳しく知ることが出来た。家庭医だけでなく、文化に対する自分の価値観も変わった。(2012年度卒・男子)


日米の医療制度にはそれぞれの長所短所があると思う。各国の患者にとって良い制度が組まれるとよい。挑戦したいことは今までも沢山あったが、Painを考えると一歩を踏み出せなかった。「No Pain No Gain」を胸に、一歩進んでみようと思う。(2010年度卒・女子)


■竹之下先生からの感想■
医師として仕事をしていて、勿論毎日いいことばかりではありません。
そんな中で、皆さんからこのような嬉しい感想を頂けることは、私自身の励みにもなりました。
感想を読んで、私が伝えたかった大きな二つのテーマ
1)受験のためでなく、その先のための英語力
2)医師になる前に様々な価値観を学んで、人間性を深めること
の必要性が十分に伝わっていると感じ、とても嬉しかったです。
受験生の皆さんがつらいときや苦しいときに「No pain, No gain!」
という言葉が強く心にあってくれることを望みます。
また、私自身も、今回の報告会を通し、これまでの自分を振り返る大変いい機会になりました。発表の機会を与えてくださった、理数セミナーに感謝しております。


お忙しい中報告会をしてくださった竹之下先生、本当にありがとうございました!
今後も、卒業生の会は生徒・卒業生、保護者の方々にとって実になるような素敵な報告会を実施できるよう邁進していきます。





【報告会レポート・卒業生の会事務局:齋藤有紀】
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